鉛直円筒型可視化風洞の作り方
こちらの項目は、当方の意思に反して突然消滅してしまいましたので、再度記入します。
円柱周りの流れを線香の煙などを用いて可視化すると、息をのむような美しいカルマン渦列が現れます。このような体験は小学校低学年の児童にも魅力的であろうと思われます。可視化風洞は自然に対する興味を植えつけるアイテムとして、顕微鏡や天体望遠鏡に勝るとも劣らない活躍が期待できます。
昨今は国土地理院から3Dプリンター用の立体地図データを無料で入手でき、様々な場所の立体地図を作成することが容易です。これを可視化風洞に入れて風向きによる山上空の流れ模様を調べるとか、興味のある車や建物の周りの流れを調べるなど、子供たちの興味に応じて楽しむことができます。
小中高の理科クラブが可視化風洞の1台ぐらいは所有していても良いのではないかと考えています。
そのためには、可視化風洞は次のような条件を満たしていることが必要です。
- 設置面積が小さいこと
- 可視化に用いる線香の煙などが、空気密度と異なっていても、流れに追随して流線を観察できること
- 軽量コンパクトであり、子供でも組み立てが可能であること
- 安価であること
- 乱れが少なく、美しい流線を観察できること
このような条件を満足するように開発したものが鉛直円筒型可視化風洞です。流れを上から下に鉛直方向にとることによって、1.と2.の条件が満足されます。風洞断面を円形にして、アクリル円筒を家庭用の換気扇の上に積み重ねて作成することにより、3.と4.の条件が満足されます。5.の条件の乱れを抑えて均一な速度分布をもつ風洞を作成するためには、適切な形状を持つ縮流部を用いる必要があります。市販されているプラスチック製のプランターの底を抜いて縮流部として利用することができます。さらに室内の気流の乱れを風洞に持ち込まないために、ハニカムを整流装置として用いることにより、1.~5.の条件のすべてを満足する可視化風洞を作成することができます。
ご興味のある方はお読みください。
日本機械学会2018年度年次大会講演論文集〔2019.9.8-11,(秋田)〕