3Dプリンターで作る理想のマスク
1)眼鏡が曇らない
2)皮膚が痒くならない
3)強く息を吸っても、フィルターが鼻の穴にくっついて、通気面積が減って、吸入抵抗が増えるということがない
4)フィルターを通さない空気の流入、流出がない
私にとっては理想のマスクの作成方法をご紹介します。
基本設計方針
3Dプリンター用STLデータはイグアス社がネットで公開して下さっている、薄型のマスクデータ(男性用、女性用、子供用)を使わせて頂きました。
基本的な考え方を述べます。
・フィルターはマスクの外側に置きます。
・マスクの内側外周にすきまテープを配して、顔とマスクが密着するようにします。
・フィルター保持壁をマスクの外側に一体成型します。このときマスクの上側(鼻側)でマスクとフィルター保持壁を接続して、マスクから出た空気が鼻側に抜けないようにします。
これにより、条件1,3,4はクリアできます。条件2は数あるすきまテープの中から、肌に接しても痒くならない製品を選びます。
製作方法
2020年9月14日 日本機械学会年次大会で発表します
市販のマスクと開発マスクの吸入抵抗を計測しました。開発マスクの吸入抵抗の方が小さなことが確かめられました。開発マスクはフィルターは外側に配置されるので、フィルターが口や鼻に密着して吸入面積が減って、吸入抵抗が増えることがないためです。
マスク内側にはエプトシーラーというパッキンを使用して、顔とマスクを密着させます。これにより長時間マスクを着けていても顔が痒くなることがなく、フィルターを通さずに出入りする空気もなくなります。
そして眼鏡が曇らない理想のマスクを作成することができました。
講演論文を添付します。ご興味のある方はご覧ください。
日本機械学会2020年度年次大会講演論文集〔2020.9.14,(名古屋)〕PDFファイルを表示