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3Dプリンターで作る理想のマスク

3Dプリンターで作る理想のマスク

1)眼鏡が曇らない
2)皮膚が痒くならない
3)強く息を吸っても、フィルターが鼻の穴にくっついて、通気面積が減って、吸入抵抗が増えるということがない
4)フィルターを通さない空気の流入、流出がない
私にとっては理想のマスクの作成方法をご紹介します。

基本設計方針

3Dプリンター用STLデータはイグアス社がネットで公開して下さっている、薄型のマスクデータ(男性用、女性用、子供用)を使わせて頂きました。

基本的な考え方を述べます。
・フィルターはマスクの外側に置きます。
・マスクの内側外周にすきまテープを配して、顔とマスクが密着するようにします。
・フィルター保持壁をマスクの外側に一体成型します。このときマスクの上側(鼻側)でマスクとフィルター保持壁を接続して、マスクから出た空気が鼻側に抜けないようにします。

これにより、条件1,3,4はクリアできます。条件2は数あるすきまテープの中から、肌に接しても痒くならない製品を選びます。
マスク外側
マスク内側

製作方法

イグアス社が提供下さているSTLデータを3DCADに読み取り、編集します。

1)62°回転して、鼻側が底になるように配置します。
2)鼻側の外周線はほぼ直線ですが、多少うねっているので、直線にカットして、3Dプリンターで加工しやすくします。
3)このマスクのデータをコピーして、5mm前に移動します。これにより、2枚のマスクが隙間2~3mmで平行に配置されます。
4)2枚のマスクを接続する高さ4mmの帯を作成して、前側のマスクと一体化します。
5)前側のマスクはフィルターのガード壁なので、必要な部分を残してカットします。
6)前側のマスクと後ろのマスクを一体化します。
7)通気孔の数を増やします。

以上が3DCADでの作業です。
後は3Dプリンターに加工するよう頼めば5時間ほどで作成してくれます。
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3Dプリンターが作成してくれたマスクに、ゴム紐をつけ、マスク内側外周にすきまテープを張ります。
最後にフィルターをマスクとマスクガード壁の間に滑り込ませて、不要部分をハサミでカットすれば完成です。

フィルターは、使い捨てでない、水で洗える厚みのあるキッチンペーパーを使ってはいかがでしょう。安価でいつでも手に入ります。
イグアス社 元データ
鼻の部分が下になるように回転 5mm前にコピーを配置
前のマスク+繋ぎ用帯 をカット
吸入孔を増やして完成

2020年9月14日 日本機械学会年次大会で発表します

市販のマスクと開発マスクの吸入抵抗を計測しました。開発マスクの吸入抵抗の方が小さなことが確かめられました。開発マスクはフィルターは外側に配置されるので、フィルターが口や鼻に密着して吸入面積が減って、吸入抵抗が増えることがないためです。

マスク内側にはエプトシーラーというパッキンを使用して、顔とマスクを密着させます。これにより長時間マスクを着けていても顔が痒くなることがなく、フィルターを通さずに出入りする空気もなくなります。

そして眼鏡が曇らない理想のマスクを作成することができました。

講演論文を添付します。ご興味のある方はご覧ください。
日本機械学会2020年度年次大会講演論文集2020914(名古屋
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