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雨粒の形を見たい!

雨粒観察用縦型風洞の作り方 設計条件

雨粒を浮上させる風洞出口の条件は次の通りです。
①余裕をもって8m/s以上の風速が出せる
②乱れが少ない
③周囲から中央部に向かう弱い流れが必要

③について説明します。雨粒は雨粒後方にできる剥離渦が不安定なので、じっとしていません。飛び回ります。風洞の外に飛び出そうとしたとき、周囲から中央部に向かう流れがあれば、風洞内に長時間留まり、観察することができます。

雨粒観察用縦型風洞の作り方  購入するハード(電源、送風機、ハニカム)

購入する電源、送風機、ハニカムは、紙細工浮上用風洞、カルマン渦可視化用風洞と共通で、同じものを使います。ただしハニカムはそれぞれの風洞に適した面積をもつものを用意します。

ファン:8m/s以上の風速を得るには、強力なファンが必要です。小型、安価で強力な直流ファンが利用できるようになりました。

マリン適用 防水 12V 送風機 耐水性高い 空気の流れ 直径4インチ 高空気流インライン送風機(3000円弱
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直流電源:HANMATEK 可変直流安定化電源 DC電源 (0-30V 0-5A)電圧&電流安定電源 低騒音高精度 自動切替 スイッチング電源 学校の実験室と電気のメンテナンス用 (HM305M)(5000円ほど
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ハニカム:昭和飛行機製 アルミハニカム メッシュ1/8インチ 厚さ80mm
このハニカムの整流効果は抜群です。高価ですがこれを使います。
たたみ1畳より大きな定尺でしか購入できませんが、ご相談いただければお分けできると思います。
マリン適用 防水 12V 送風機
直流電源

雨粒観察用縦型風洞の作り方 設計例

123D(3DCADソフト)で作成した設計図
全体図(風洞出口内径は102mm)
各部品のSTLデータ
CURA 14.05.3 で作成した GCODEファイルとINIファイル(GCODE作成条件)

以上の内容を圧縮したファイルを下記からダウンロードして解凍してください。
https://mega.nz/file/32Zy3CyL#WKii1zQCfjBxTCRQ-CWIfNcu-uRbq-mCWpjCJ3vQEJA

1:台
2:ファン
3:拡大部
4:縮小部
5:ハニカムケース
6:ハニカムケース
7:水平調節ボルト
8:水平調節ナット
9:下部フィルター
10:上部フィルター
11:ハニカム(120×120×80mm)

青字の1~3,7~10の部品は、紙細工浮上用風洞、カルマン渦可視化風洞と共通です。

9:下部フィルター(直径98mm)のメッシュ
10:上部フィルター(直径173mm)のメッシュ

雨粒は約8m/sで落ちてくる

何十年も前のこと、ある学生が「雨粒の形を見たいんです」と言い出しました。「雨粒が落ちてくるスピードと同じ速さの風を下から吹き上げると、雨粒は止まると思うんです。」

大きさによって雨粒が落ちてくるスピードが違えば、そんな風洞を作っても、止まってくれる雨粒はほとんどないのではないか、と心配しながら、下から上へ吹き上げる風洞を作りました。
案ずるより産むが易し、霧のような小さな雨粒を除いて、ほとんどの雨粒は大小に関係なく、約8m/sのスピードで落ちてくることがわかりました。

雨粒の形は丁度お正月の鏡餅のような形をしています。上が丸くて、下が平らです。その形が雨粒の大きさによって少しずつ変わっていきます。大きな雨粒程、平べったい形になります。

雨粒は時間的に速さが変化することなく、等速で落ちてきます。これは地球が雨粒を下向きに引っ張る力(重力)と、雨粒が落ちてくる方向と反対方向に(上向きに)働く空気の抵抗力(抗力)が釣り合っているからです。
雨粒は大きくなると形が平べったくなり、底面積が増して抗力が増えるので、重力と抗力が釣り合って、小さな雨粒と同じスピードで落下してきます。そのスピードが約8m/sなのです。

雨粒の最大の重さは 約0.5g

雨粒を下から約8m/sの風速の風を吹き上げて観察すると、雨粒はじっとしていません。左右に飛び跳ねています。理由は雨粒の背後に空気の渦ができていて、その渦が不安定なのです。

突然雨粒が分裂することがあります。隣の雨粒と合体することもあります。見ていて飽きません。

さて大きな雨粒を作ろうとすると、いくつかの雨粒を合体させて成長させていくことになります。今までの経験で、最大の雨粒の重さは約0.5g。その形は、本体は平べったい円形、その周りに小さな足のようなものが沢山出てきて、その足が振動しているのです。あっ、これは限界だなと感じました。そしてすぐに分裂してしまいました。

生命に優しい雨

最大の重さが0.5g、落下スピードは約8m/sで一定。

これは生き物にとってありがたいことです。カエルさんが大雨でもゲゴゲゴ鳴いていられるのは、このお陰です。

一方、雹(ひょう)は、形が変わることができないので、大きくなればなるほど、速く落ちてきます。キャベツに穴があくこともあります。大雨でキャベツに穴があいた話は聞いたことがありません。

実際の雨のスピード

雨が約8m/sで落下するのは、周りの空気が静止している場合の話です。

雨粒の周りの空気の速度に、下向きの約8m/sの速度を加えた速度で、実際の雨は降ってきます。

雨粒の周りの空気が上から下に吹き下りているときには、雨粒のスピードはかなり大きくなるでしょう。
富士山頂近くでは「雨が下から降ってくる」という話を聞いたことがあります。これは雨粒の周りの空気が下から上へ8m/sよりずっと大きな速さで吹き上げている場合に起こります。

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